第18場アニーへの告白

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ジェーン夫人の店を出ると、キャンディはアニーが用意した馬車で、アニーと共にポニーの家に向かった。

道すがらアニーは、アーチーがアードレー家の事業により一層時間を費やしていて、ジャズに興味を持ち始めたと、キャンディに語った。

キャンディは、いつになく静かだった。

「......何かあったの?キャンディ」
アニーが、訊いた。


無表情のキャンディ。

「......アニー、......わたし......」
キャンディは、声を喉につまらせた。


キャンディを心配そうに見るアニー。

「......今日、......テリィに会ったの......」
キャンディの声は不安に満ちていた。


アニーは、聞き間違えたのかと思った。
「......テリィに会ったって?どうやって?......何を言っているの!?」



「......テリィが数週間前に、手紙をくれたの。......返事を出さなかったら、テリィがここに来たの」



アニーは、驚いて手を口にあてた。

「そんな!それで、テリィはどれくらいここにいるの!?」


「......わからないわ。昨日、ポニーの家にわたしを探しに来たの。今日、テリィに会いに行って......婚約したと伝えたわ......。でも、テリィを拒絶出来るのかと、訊ねられた時に、......わたし......言えなかった......」

キャンディは今にも泣き出しそうだった。

「......キャンディ!どうするつもりなの?」
アニーはキャンディを気遣い、キャンディの腕に手をあてた。


「......わからないわ......」

二人共黙り込んでしまった。

沈黙が包み込む。


不意にキャンディが言った。

ジェーン夫人は、......とても幸せそうだったわ」


残りの帰り道では、これ以上語られることは何もなかった。

ただ、馬の蹄の音だけが、鳴り響いていた。

The One I Love Belongs to Somebody Else    〜それでも君を愛してる〜  By Alexa KangWhere stories live. Discover now